最新 地学事典 「地理的変異」の解説
ちりてきへんい
地理的変異
geographical variation
現生生物の同一種において,地理的に離れた個体集団間の差異・変異をいう。生物を取り囲む環境要素は空間的・時間的に変化するが,地理的変異は空間的環境変化に対応したもの。C.DarwinとA.R.Wallaceは進化の研究に地理的変異を重視し,地理的変異が漸進的な進化の,目に見える進化過程を示している点を明らかにした。地理的変異の型で,変異集団どうしが分離して分布し交互交配のないものを異所的(allopatric)といい,集団どうしがその境界で接していて交互交配するものを側所的(parapatric)という。一般に異所的な地理的変異は亜種として扱われ,そのような種を多型種という。化石についても,同一時代の地層中にみられる特定の化石の空間的な変異について用いられる。
執筆者:小寺 春人
参照項目:多形性
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

