朝日日本歴史人物事典 「坂合部薬」の解説
坂合部薬
生年:生年不詳
壬申の乱(672)時の近江方の将。氏は境部とも書き,姓は連。斉明4(658)年11月,有間皇子の変の際に,皇子らと共に捕らえられ,紀温湯(和歌山県白浜町)に行幸中の斉明天皇の許に送られたのち,尾張国(愛知県)に流されたが,一説によると有間皇子が,薬らと共に短籍(おみくじ)を取り謀反のことを占ったという。壬申の乱では近江方の将として,大海人皇子(のちの天武天皇)方の村国男依と近江の息長の横河(滋賀県米原町醒ケ井付近)で戦ったが,敗れ斬られた。
(館野和己)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報