朝日日本歴史人物事典 「堀内氏善」の解説
堀内氏善
生年:天文18(1549)
戦国時代の武将。父は氏虎。熊野新宮別当の末裔と伝え,次第に勢力を得て新宮を本拠とした。元亀1(1570)年,織田信長の石山本願寺攻めに軍勢を派遣し,天正9(1581)年紀伊牟婁郡の地を安堵される。また同13年の紀州攻めでは,羽柴(豊臣)秀吉に帰服して同地を安堵された。文禄1(1592)年の朝鮮出兵の際には熊野水軍として戦功をあげ,伏見城普請で役高2万7000石とある。慶長5(1600)年の関ケ原の戦では石田三成にくみして志摩の九鬼嘉隆と共に蜂起し戦後所領を没収されたが,神職故に死一等を減ぜられ,肥後の加藤清正に預けられた。熊本城内で死去,高野山に葬られた。
(石田晴男)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報