堅地(読み)カタジ

デジタル大辞泉 「堅地」の意味・読み・例文・類語

かた‐じ〔‐ヂ〕【堅地】

漆塗りなどの下地を、堅くしっかり塗り上げること。また、そのもの。
織物布目が堅く締まっているもの。
きまじめなこと。物堅い気質。
「―の父の親の手を」〈浄・卯月の紅葉

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精選版 日本国語大辞典 「堅地」の意味・読み・例文・類語

かた‐じ‥ヂ【堅地】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 漆塗りなどで、下地を堅く、しっかり塗ること。また、そのもの。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「新町もののわん・おしき、かた地と見へてのり地なり」(出典:仮名草子・ぬれぼとけ(1671)下)
  3. 堅く布目のつんでいる織物の地質
    1. [初出の実例]「錦にも金糸を用ゐれども、其他を堅地(カタチ)と称して、織法を異にす」(出典小学読本(1874)〈榊原那珂稲垣〉二)
  4. 堅い地面。
    1. [初出の実例]「諸はだぬぎて鍬を取堅地(カタヂ)に気をつくし、身汗水なしてやうやう堀ける」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)四)
  5. 性質が物堅いこと。きまじめであること。
    1. [初出の実例]「かたぢの父の親の手を、水離れせぬお亀とは」(出典:浄瑠璃・卯月の紅葉(1706頃)上)

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