(読み)ホウ

デジタル大辞泉 「堡」の意味・読み・例文・類語

ほう【堡】[漢字項目]

[音]ホウ(呉)(漢) ホ(慣) [訓]とりで
土や石で築いた小城。「堡塞ほうさい堡塁ほうるい城堡じょうほう橋頭堡きょうとうほ

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精選版 日本国語大辞典 「堡」の意味・読み・例文・類語

お‐きを‥【堡・小城】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「お」は接頭語。「き」は、城の意 ) 土や石で造ったとりで。
    1. [初出の実例]「此の村に土蜘蛛有りき。堡(をき)を造りて隠り、皇命に従はずありき」(出典肥前風土記(732‐739頃)小城)

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普及版 字通 「堡」の読み・字形・画数・意味


12画

[字音]
[字訓] とりで・おか・つつみ

[字形] 形声
声符は保(ほ)。保に保衛・保守の意があり、土塁を以て防衛するところをいう。古くは保字を用い、〔礼記、月令〕「四鄙、保に入る」とは堡の意である。漢の西域経営以来、保塁の属が多く作られ、〔晋書、堅載記下〕に「關中の保壁三千餘」とあり、唐に至ってさらに遠く西域の地に及んだ。堡は〔説文〕にみえず、唐の慧琳の〔一切経音義〕に「堡は高土なり」とあり、土塁をいう。

[訓義]
1. とりで、土石で作った城。
2. おか、つつみ、防禦用の土堤。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕堡 豆伊比地(ついひぢ) 〔字鏡集〕堡 ツイヒヂ・ツツミ

[語系]
堡・保puは同声。保に神聖を守る意がある。堡は保障・障壁の意に用いる後起の字。

[熟語]
堡営堡塢堡砦堡塞堡柵堡戍堡墻堡障堡壁堡塁
[下接語]
営堡・海堡・堡・城堡・屯堡・烽堡・望堡・塁堡

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【要害】より

…防御・戦闘性に富んでいること,またはそうした場所を表す語で,〈要害の地〉〈要害堅固〉などと用いるが,中世の城郭用語としては,ある種の城を指す場合と,城内の特定部分を指す場合とがある。前者は砦(取出),堡などと同じく,居城や根小屋に対置して,臨時に詰める戦闘本位の城郭を呼ぶ場合に用いる。後者は〈城中ノ要害〉(《難波戦記》),〈取出の要害〉(《家忠日記》)のように,城の内部でとくに戦闘機能の高い区画を指した。…

※「堡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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