塩性化(読み)えんせいか

最新 地学事典 「塩性化」の解説

えんせいか
塩性化

salinization

塩類が高濃度に集積し,植物の生育を阻害し,人間の生存をも脅かすこと。土壌の塩性化と河川水の塩性化に分けられる。乾燥地で大規模灌漑によって多量の水が供給されると地下水位は上昇する。上昇した地下水面からの毛管現象による水の地表への移動,水の移動に伴う地中の可溶塩類の上昇,地表での水の蒸発による塩類の集積という過程で土壌の塩性化が発生する。天水(非灌漑)農地でも土壌の塩性化が生じることがある。乾燥地の自然林を構成する樹木は数mあるいはそれ以上の深さにまで根をのばして蒸散を行い,地下水位を低く保つ。しかし,樹木が伐採され根の浅い外来植生作物など)に置き換えられると,従来通りの降水量でも水の「過剰」が生じ,地下水面が上昇して塩類集積が発生する。河川の流域が開発され,樹木がなくなると降雨時の流出量は増加し,地表付近に集積した塩類は表流水によって多量に運び出される。これらの原因による河川水の塩性化は河川沿岸の農耕地や植生を荒廃させ,「飲料水の悪化」として生活に直接打撃を与えるので深刻な問題となっている。

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

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