塩狭間古窯跡群
しおはざまこようせきぐん
国道一五三号沿いに、阿弥陀杉とよばれる杉の大木が茂る谷底平地がある。遺跡は平地の南から北へ向かって延びる低い支丘の東側斜面に立地。焚口付近の標高は四二〇メートル、麓の国道との比高は二五メートルである。布目瓦が出土するので、昭和初期から福知廃寺跡の一部とよばれてきた。昭和四〇年(一九六五)の踏査で窯壁が露出していたことから古窯跡と判明。同四三―四四年発掘調査で、斜面に半地下式のトンネルを築く窖窯を三基検出。上手の第一号は全長九・六メートル、焼成室の最大幅一・九メートル、焼成室の床面勾配は約二三度、燃焼室と焼成室の境には長径五二センチ・短径三八センチの分焔柱がある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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