塵取(読み)ちりとり

精選版 日本国語大辞典 「塵取」の意味・読み・例文・類語

ちり‐とり【塵取】

〘名〙
① はき集めた塵やごみなどをとる道具。ごみとり。
大乗院寺社雑事記‐文正元年(1466)一二月二九日「大工左近五郎ちり取一進之」
月代(さかやき)など剃り落とした髪の毛を受ける道具。①の形や扇の地紙形に造った板。毛受。
浮世草子・好色万金丹(1694)三「側にありし茶瓶煎じ茶にて髪揉んで西向に直り、塵取(チリトリ)受けて、さあ只今只今とせがめば」
腰輿(たごし)の簡素なもの。四隅に柱を立てず高欄(こうらん)だけをめぐらしたもの。その形が掃除用の①に似ているところからいう。貴人は用いなかった。ちりとりごし。
太平記(14C後)二九「河津左衛門は〈略〉馬には乗得ずして、塵取(チリトリ)にかかれて、遙(はるか)の迹(あと)に来ける」
④ =ちりふせぎ(塵防)甲陽軍鑑(17C初)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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