壱越調(読み)イチコツチョウ

デジタル大辞泉 「壱越調」の意味・読み・例文・類語

いちこつ‐ちょう〔‐テウ〕【壱越調】

雅楽六調子の一。壱越の音を主音とする音階

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「壱越調」の意味・読み・例文・類語

いちこつ‐ちょう ‥テウ【壱越調】

〘名〙 (「いちこつぢょう」とも)
① 雅楽の六調子の一つ。壱越の音、すなわち洋楽音名の「ニ」の音(D)を主音とした音階。いちおつちょう。いちこちちょう。いちこつ。→十二律(じゅうにりつ)。〔二十巻本和名抄(934頃)〕
② 低い声。低い声の調子。
③ 声をいっぱいに出すこと。また、その声。張り上げた声。
咄本一休咄(1668)四「一休一越調(イチコツデウ)をあげて仰られけるは」
譬喩尽(1786)一「一越調(イチコツテウ)で喚(わめ)く」

いちこち‐ちょう ‥テウ【壱越調】

源氏(1001‐14頃)若菜下「いちこちてうの声に、発(はつ)の緒を立てて、ふとも調べやらでさぶらひ給へば」

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世界大百科事典(旧版)内の壱越調の言及

【六調子】より

…唐楽六調子ともいい,〈りくちょうし〉と読む立場もある。6種とは,壱越(いちこつ)調(壱越が宮(きゆう)(五音(ごいん)の主音)。(りよ)),平調(ひようぢよう)(平調が宮。…

※「壱越調」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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