日本大百科全書(ニッポニカ) 「多久遺跡」の意味・わかりやすい解説
多久遺跡
たくいせき
佐賀県多久市、鬼ノ鼻山北麓(ほくろく)のに位置する先土器(旧石器)時代の遺跡。サヌカイト(讃岐(さぬき)石)の原産地であるこの丘陵には、現在40か所を超える遺跡が確認され、日本で最大級の石器製作の遺跡群である。なかでも、1960年(昭和35)に発掘調査された三年山遺跡、茶園原(ちゃえんばる)遺跡は、サヌカイト製の20センチメートルを超える大形の尖頭器(せんとうき)が多く出土したことで有名。その他の石器では、掻器(そうき)、削器(さっき)船底形石器、剥片(はくへん)、石核などが発見されている。
[戸沢充則]
『杉原荘介他著『佐賀県多久3年山における石器時代の遺跡』(1983・明治大学)』