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多元主義 たげんしゅぎpluralism

翻訳|pluralism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

多元主義
たげんしゅぎ
pluralism

元来,世界の起源を唯一のものに還元する一元論に対して世界の複数性を認める哲学上の立場を意味していた (→一元論・多元論 ) が,現在では複合民族社会論や政治的多元論 (多元的国家論 ) などの基本的な枠組みとして定着している。とりわけ政治的多元論は政治世界を説明するとき「国家対個人」の図式に代えて「国家対集団」の図式を提示した。多元主義は複数の集団による競争によって全体社会の利益の調整をはかることを目的とする。それは国家と個人の間に中間団体を設定することで政府機能の肥大化を防止する自由主義の理念に合致するものであった。また集団間の競争を公開することで民主的なチェック機能も果されることになる。アメリカの政治学者 R.A.ダール民主化の指標として競争の自由と公開性の原則をあげ,それらの原理に基づく政治体制を「ポリアーキー」と名づけた。その意味で多元主義は現代民主主義の生命線であると考えられるのである。しかし,現代社会では利益集団間の競争が巨大団体の独占によって形骸化し,その巨大利益集団と政府の癒着体制 (コーポラティズム) と密室政治が問題化されるようになっているのが実情である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典内の多元主義の言及

【相対主義】より

…一般的な意味では,唯一絶対の視点や価値観から何ごとかを主張するのではなく,もろもろの視点や価値観の併立・共存を認め,それぞれの視点,価値観に立って複数の主張ができることを容認する立場をいう。複数主義,多元主義pluralismに近く,絶対主義absolutismや普遍主義universalismに対立する。この対立の深刻な場面は,倫理的価値,宗教的価値に最もよく現れる。…

※「多元主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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