多良岳県立自然公園(読み)たらだけけんりつしぜんこうえん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「多良岳県立自然公園」の意味・わかりやすい解説

多良岳県立自然公園
たらだけけんりつしぜんこうえん

佐賀県長崎県にまたがる多良岳を中心とする自然公園。佐賀県側は面積 46.21km2。 1952年指定。山地には放射状の谷が多く発達し,峡谷美に富む。おもな登山道は鹿島市から本城までバス,平谷温泉を経て,経ヶ岳,金泉寺,多良岳にいたる。多良岳山頂からは東に遠く阿蘇山,南東雲仙岳,西に大村湾を望むことができる。本城川の上流には能古見峡白糸の滝の仙境があり,平谷温泉の近くには奥平谷キャンプ場がある。長崎県側は面積 65.43km2。 1951年指定。放射状の河谷が発達し,峡谷と滝に富み,ハイキングコースとキャンプ場が多い。諫早市北部にある富川渓谷境川の轟の滝,東彼杵町東部の千綿渓谷が知られる。山麓には伏流水などを利用したため池が多く,特に寛文年間 (1661~73) に鯨組の深沢家が開いた大村市北部の野岳湖は大きく,周辺はキャンプ場となっている。第2次世界大戦後,郡川の上流に萱瀬ダムがつくられ,貯水は灌漑用のほか一部は長崎市の飲料水用ともなっている。

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