多里宿(読み)たりしゆく

日本歴史地名大系 「多里宿」の解説

多里宿
たりしゆく

[現在地名]日南町多里

北流する日野川左岸に位置する日野往来宿場町並は同川に沿って南北に延び、対岸川本かわもと村・湯谷ゆだに村。当宿の南で東流する灰谷はいだに川が、北で南東流する萩山はぎやま川が日野川に合流する。備後備中・出雲三国への分岐点にあたり、日野往来を南に行き鍵掛かつかけ峠を越えると備後へ、対岸湯河ゆかわ川を遡上し大坂おおさか村を経て備中へ、萩山川を遡上すると出雲へ至る。宝永五年(一七〇八)に備中新見への道が、大坂村―備中高瀬たかせ(現岡山県神郷町)―備中三坂みさか(現同上)経由から大坂村―神戸かど村―三坂村経由に変更されている(在方御定)。永禄一二年(一五六九)九月一〇日の興幸感状(米井家文書)によると、原又太郎の「多里表」における度々の合戦の勲功が尼子勝久の家臣興幸によって賞されている。

正徳元年(一七一一)の郷村高辻帳に「古ハ多里村」と注されるが、正保国絵図に多里宿とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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