夢野村(読み)ゆめのむら

日本歴史地名大系 「夢野村」の解説

夢野村
ゆめのむら

[現在地名]兵庫区夢野町一―四丁目・熊野町くまのちよう一―五丁目・氷室町ひむろちよう一―二丁目・菊水町きくすいちよう五―一〇丁目・湊川町みなとがわちよう三―一〇丁目・鵯越町ひよどりごえちよう滝山町たきやまちよう小山町こやまちよう清水町しみずちよう北山町きたやまちよう鵯越筋ひよどりごえすじ里山町さとやまちよう

六甲ろつこう山地西部山麓段丘に位置する。北は烏原からすはら村。南に会下えげ山があって兵庫津と境する。兵庫津と播磨国三木を結ぶ鵯越道が村内を通って藍那あいな(現北区)へ抜ける。天平一九年(七四七)の法隆寺伽藍縁起并流記資財帳(法隆寺蔵)に「北限伊米野」とあり、会下山に比定されている雄伴おとも宇治うじ宇奈五うなご岳の北に位置し、古くは伊米野いめのといった。宇奈五岳は「釈日本紀」に引く「摂津国風土記」逸文に「雄伴郡、有夢野」とみえ、刀我野とがのにすむ牡鹿がこの野(夢野)にすむ嫡妻牝鹿に、背中に雪が積り、すすきが生えた夢をみたと告げたところ、淡路野島のじま(現北淡町)にすむ妾の牝鹿を訪ねる牡鹿に嫉妬した牝鹿に、野島に渡るならば船人に射殺されるであろうと夢判断され、予兆どおりに射殺された故事にちなんで夢野と名付けられたという伝承がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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