日本歴史地名大系 「菟餓野」の解説 菟餓野とがの 大阪府:大阪市北区北野村菟餓野現北区兎我野(とがの)町とその近辺に所在した野とする説と、神戸市灘(なだ)区都賀(とが)川流域または同市兵庫区夢野(ゆめの)町付近の野とする説とがある。この野に関しては「日本書紀」神功皇后摂政元年二月条に、反乱を起こした坂王・忍熊王が「菟餓野」で祈狩(うけいがり)(占いのための狩猟)をしたとみえる。「古事記」仲哀天皇段ではこれを「斗賀野」とする。この話では菟餓野の所在地は不明であるが、「日本書紀」仁徳天皇三八年七月条によれば、毎夜菟餓野から鹿の鳴く声が聞え、天皇はその声を哀れんでいたが、月末に及んで聞えなくなった。 菟餓野とがの 兵庫県:神戸市兵庫区菟餓野古代の地名。現大阪市北区兎我野(とがの)町周辺を遺称地とする説が有力であるが、現灘区都賀(とが)川流域に比定する「大日本地名辞書」の説や、夢野(ゆめの)の古称と解して兵庫区夢野町付近に求める説もある。「日本書紀」神功皇后摂政元年二月条に、坂王・忍熊王が神功皇后に背き「菟餓野」で占いのための祈狩をしたとあり、「古事記」仲哀天皇段には「斗賀野」と記される。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by