大井手(読み)おおいで

日本歴史地名大系 「大井手」の解説

大井手
おおいで

木津きづ川の北に広がる瓶原みかのはら地域の水不足をなくすため、鎌倉時代に海住山かいじゆうせん寺の慈心が農民を督励して完成したという灌漑用水。現和束わづか町大字石寺いしでらの南東の和束川に井関を設け、用水路は井手いで山の山腹を巡り、きた山山麓を西流し、大字西にし木津川に注ぐ。全長六千七五五メートル。

文禄四年(一五九五)に記された瓶原井手之記の写(書写寛永一一年六月、吉田家文書)によれば、水利に恵まれない瓶原地域の農業をみた慈心が貞応元年(一二二二)和束川より水を引き稲作を興そうと発願、地域住民とともに開削、三千七五三間に及ぶ用水を完成させた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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