改訂新版 世界大百科事典 「大半小」の意味・わかりやすい解説
大半小 (だいはんしょう)
主として日本古代末期から中世を通じて用いられた面積単位。史料上の初見は922年(延喜22)の和泉(大阪府)の《大鳥神社流記帳》。大は1段の3分の2,半は2分の1,小は3分の1の面積を表し,当時の1段は360歩であったから,それぞれ240歩,180歩,120歩であった。1段の水田が畦畔によって6等分されているような場合に便利な面積単位で,全国的に分布するが,とくに畿内と中国西部,四国北部,東海関東地方に多い。太閤検地により300歩1段となり,30歩を示す畝の単位が用いられるようになると消滅するが,初期には関東地方で200歩,150歩,100歩を表す大半小の単位が用いられており,安芸(広島県の一部)では近世まで用いられていた。ごくまれには大・小がそれぞれ1段の4分の3,4分の1を表すこともある。
執筆者:歌川 学
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報