大学医療(読み)だいがくいりょう

大学事典 「大学医療」の解説

大学医療
だいがくいりょう

2017年現在,日本には82の医科系大学が存在するが,大学設置基準39条により,いずれも附属病院を擁している。監督官庁である文部科学省厚生労働省は大学病院の役割として教育,研究,診療の三つをあげている。すなわち,将来の医療を担う医療人の教育・育成として医学部生の臨床教育,卒後臨床研修を通じた専門医の養成,看護師や放射線技師などの医療従事者(コ・メディカル)やスタッフを目指す学生への卒前実習や卒後の研修の場を提供すること。研究面では,臨床医学発展と医療技術水準の向上への貢献として,難治性疾患の原因究明や新しい診断法・治療法の開発,治験等を通じた新薬の開発を行うこと。さらに診療では,地域の中核病院としての質の高い医療の提供,すなわち高度先進医療の提供,難治性疾患の治療,さらには地域医療機関への医師の供給である。しかし,医師や診療科偏在や初診患者の大学病院への集中など多くの問題を抱えている。
著者: 月澤美代子

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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