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海神祭 うんじゃみ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

海神祭
うんじゃみ

沖縄島北部の名護市以北の国頭郡とその周辺の離島で,旧暦 7月の盆前後の亥の日に行なわれる海神の祭り。ウンギャミ,ウンガミ,ウンザミなどとも呼ばれ,集落を代表するノロ(ヌル)を中心とする神役の女性(神女)と男性の神役とが中心になって行なわれる。各地それぞれに違いがあるが,ノロと神女による海神の神迎えのあとに,神女が船を漕ぐ所作やハーリー(競漕)を行なったり,男性の神役や村人もかかわってイノシシ狩りを表すとされる所作などを演じる本祭りとなり,最後に海岸に出て神歌をうたうなどして神送りをする,という構成をとるところが多い。神送りの際には,祭りに使用した用具やお供え物を海に流すところもあり,国頭村の比地,奥間では,神女の草冠を浜の木にかけ,お供え物だったパパイヤネズミを入れ海に流す。また,海神以外の神の祭りとしての側面もあり,大宜味村の謝名城では山の神もまつっており,古宇利島では島の祖神が天から餅を降らして食べたという伝承にちなむとされる行事も行なわれている。大宜味村の塩屋湾で行なわれる海神祭は,1997年に国の重要無形民俗文化財に指定された。

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デジタル大辞泉の解説

うんじゃみ‐まつり【海神祭】

沖縄北部の国頭(くにがみ)地方で、陰暦7月初めの亥(い)の日(または盆後の亥の日)に行う海の神の祭り。うんじゃみ

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百科事典マイペディアの解説

海神祭【うんじゃみまつり】

沖縄本島北部を中心に,海神を迎え,豊漁を祈願する行事。女性が中心となって祭を執り行うため女の節供ともいう。〈しぬぐ〉(男性が中心の祭)と年々交互に,旧暦6月か7月の亥(い)の日に行う。

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大辞林 第三版の解説

うんじゃみまつり【海神祭】

沖縄本島北部で陰暦7月15日前後の亥の日に行われる海神と山神の交遊する祭り。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

海神祭
うみがみまつり

鹿児島県奄美(あまみ)諸島与論島、沖縄県国頭(くにがみ)郡一帯、島尻(しまじり)郡伊平屋(いへや)諸島などで行われる村の行事。地元では海神(うみがみ)(ウンガミ、ウンジャミなど)という。『琉球国(りゅうきゅうこく)由来記』(1713)には「海神折目(うみがみおりめ)」とある。折目は節日の意である。国頭郡本部(もとぶ)半島地方では大折目(おおおりめ)(ウフウンミ)ともいう。
 旧暦7月の行事で、盆行事後の亥(い)の日とする所が多い。穀物の収穫を終えた、農耕暦の1年の境目の時期で、そのときにあたり、祝女(のろ)を司祭者として、海神を迎え、豊作と豊漁を祈願する。シヌグと対(つい)をなしている村も多い。国頭郡北部には、シヌグと隔年に行う村もあり、海神祭を女の節供、シヌグを男の節供と説明したり、シヌグを大(ウフ)シヌグ、海神祭をシヌグ小(グワー)と規模により呼び分けたりしている。シヌグが、成人儀礼的な男子を中心とする村落組織による祓(はらえ)の行事であるのに対して、海神祭は、与論島で祝女海神(のろうみがみ)(ヌルウンジャミ)というように、成巫(せいふ)儀礼を伴う、祝女が率いる女子中心の祭祀(さいし)組織による祈願の神事の色彩が濃い。
 神事は、村による変化も大きいが、海に突き出た土地から海神を迎え、村の祭場で神歌を歌って踊り、魚の網漁、イルカ漁、船漕(こ)ぎなどの所作事をするのが普通である。競漕(きょうそう)を実演する村もある。イノシシを弓矢で射る所作事をし、イノシシの模擬品を、山の神の土産(みやげ)として、海神に供える神事もある。イノシシ狩はシヌグで行う村もあり、海神祭とシヌグは内容にも交錯しているところがある。国頭郡では、シヌグとともに、もっとも大掛りな村の行事になっている。[小島瓔

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世界大百科事典内の海神祭の言及

【沖縄[県]】より

…八重山各地では6月にプールとよばれる稲やアワの収穫祭が行われ,西表島古見など4ヵ所ではこの祭りに豊穣をもたらす仮面仮装神であるアカマタ・クロマタが登場する。沖縄島北部の沿岸では7月20日以後の亥の日または6月中の亥の日に〈海神(うんじやみ)祭〉が行われる。これは海神を迎えまつって海の幸を祈る祭りである。…

【海神】より

…海神を祭る神社の主要なものとして,宗像(むなかた)大社,住吉神社,大山祇(おおやまづみ)神社,金毘羅社などが全国的に勧請流布している。海神祭は神霊を奉安した御輿を海中渡御(とぎよ)するものをはじめ,御旅所神幸や競漕するものなどが見られる。沖縄本島北部の村々では,海神を迎える海神(うんじやみ)祭が盛んで,海神と山神との交遊する日の祭りという。…

※「海神祭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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