大客（読み）たいきゃく

精選版 日本国語大辞典

たい‐きゃく【大客】

1. 〘 名詞 〙
2. ① 高貴な身分の客。また、大切な客。
   1. [初出の実例]「ひまのない旅籠屋奉公、ことにけふは清原様とやら麦藁様とやら、お公家様の大客」(出典：浄瑠璃・嫗山姥（1712頃）一)
   2. [その他の文献]〔周礼‐秋官・大行人〕
3. ② 多人数の客をよぶこと。また、その客。
   1. [初出の実例]「雑巾の影も貌もなかりけり 青野か原は大客のあと」(出典：俳諧・西鶴大矢数（1681）第四)
   2. 「桐村の若殿忠準の卒業祝宴に大客(タイキャク)をするとて」(出典：二人女房（1891‐92）〈尾崎紅葉〉上)
4. ③ 「ぞう（象）」の異名。〔異苑‐巻三・大客〕

おお‐きゃくおほ‥【大客】

1. 〘 名詞 〙 ( 「おおぎゃく」とも ) 客が大勢あること。また、多数の客。
   1. [初出の実例]「或時大客(オホキャク)ありて、こなたかなたに席をかまへ、遊宴なかばなるに」(出典：評判記・色道大鏡（1678）一五)

出典　精選版 日本国語大辞典