大山庄・大山郷(読み)おおやまのしよう・おおやまごう

日本歴史地名大系 「大山庄・大山郷」の解説

大山庄・大山郷
おおやまのしよう・おおやまごう

嘉元四年(一三〇六)六月一二日の昭慶門院領目録案(竹内文平氏旧蔵文書)安楽寿あんらくじゆ(現京都市伏見区)領として大山郷がみえる。安楽寿院領は大覚寺統の所領八条院領の中核をなすもので、天皇家が当郷の本家職をもち、三条大納言入道公貫に俸禄として給物一〇貫文の知行権を与えている。のちに公貫の孫の三条公秀に安堵の院宣が下された。後世の「実隆公記」には大山庄とも大山郷とも書かれており、正式に立券された庄園ではなかったようである。応永一五年(一四〇八)一〇月七日に善到が京都祇園社領大山庄の代官職を四〇貫文で請負っている(「善到請文」祇園社記)。祇園社は領家職をもつものか。

のちに大山庄の知行権は三条家支流の三条西家に伝えられている。安丸氏がこの代官であったが、文明一五年(一四八三)冬に播磨国守護赤松政則が国境の真弓まゆみ(生野峠)但馬国守護山名政豊に大敗を喫して逃走、政豊の兵が播磨へ進駐したため赤松氏被官人の安丸氏も没落した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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