大嶋雀部庄(読み)おおしまささいべのしよう

日本歴史地名大系 「大嶋雀部庄」の解説

大嶋雀部庄
おおしまささいべのしよう

市域西部にあった公家領庄園。江戸時代の東大嶋村西大嶋村を遺称とする。大嶋庄・雀部庄とも。藤原頼長家領であったが、保元の乱で頼長が敗れたため保元二年(一一五七)に没収され、後白河天皇の後院領となった(「兵範記」同年三月二九日条)。文治三年(一一八七)には「大しまさゝいへの御さう」が源氏女から「大上大しんとの」に譲与されているが(同年三月日「源氏女譲状案」伏見宮家文書、以下断らない限り同文書)、「大上大しんとの」は大嶋庄相伝系図にみえる妙音院大相国すなわち藤原頼長の子師長であり、源氏女はその母で頼長室の源信雅女とみられる。保元の乱で没収された当庄の預所職のみがのちに頼長室に返付され、さらにその子師長に伝えられていったとみられる。師長から琵琶兄弟弟子である藤原孝定に譲与されたが、処分以前に孝定が急死したため、文治四年に「摂津雀部庄」がその子孝道に譲与されている(同年一二月一六日藤原師長家政所下文案)

嘉禄二年(一二二六)八月二三日、孝道からその子孝時に譲与されたが、不孝の所行があったため悔返され、あらためて安貞二年(一二二八)に預所職が息女播磨局に譲与されている(同年七月一三日藤原孝道譲状案)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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