武庫川(読み)ムコガワ

デジタル大辞泉 「武庫川」の意味・読み・例文・類語

むこ‐がわ〔‐がは〕【武庫川】

兵庫県東部、丹波高地に源を発し南流して尼崎・西宮市境で大阪湾に注ぐ川。長さ66キロ。

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精選版 日本国語大辞典 「武庫川」の意味・読み・例文・類語

むこ‐がわ‥がは【武庫川】

  1. 兵庫県東部を流れる川。兵庫県西部の丹波高地に発し、羽束川、有馬川などを合わせ、猪名川とともに合成三角州を形成して大阪湾に注ぐ。全長六六キロメートル。

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日本歴史地名大系 「武庫川」の解説

武庫川
むこがわ

兵庫県南東部をほぼ北西から南東に向かって流れる川。篠山市の南部、丹波山地白髪しらが(七二一・八メートル)に源を発し、三田市に入って三田盆地を北西から南東に貫流する。盆地内では北から流れてくる青野あおの川とその支流くろ川の水を合せ、また南からの八多はた川・有野ありの川・有馬ありま川の水を集めた長尾ながお川を合せ、さらに盆地出口で北から羽束はつか川が合流する。そこからは長尾山地を刻んだ武庫川渓谷を流れて西宮市生瀬なまぜに出る。さらに宝塚市の中心市街地の付近で大阪平野に出てから、西の六甲ろつこう山地からの逆瀬さかせ川・川を合せ、西宮市と尼崎市の境界を南流して大阪湾に注ぐ。全長六六キロ、流域面積四九六平方キロの二級河川。河川名はかつて下流部一帯を占めた武庫郡の郡名に基づいており、上流部は藍本あいもと川ともよばれる。古くは「万葉集」にも詠まれた。「住吉大社神代記」に為奈川(猪名川)と武庫川は「両河一流合注海」と記され、両川は合流して海に流入した可能性もある。長承元年(一一三二)九月二三日の官宣旨案(広田社旧記)によると、武庫川は武庫山とともに広田ひろた(現西宮市)の神領で、同社は川に率分関を設けて山で伐採した材木の一〇分の一を徴収した。

最上流部における加古川支流の篠山川との間の分水界は、低い谷中分水界をなしているので、明治初年田松たまつ川が開削され三田―篠山間の水運が開かれた。水運の寿命は短かったが、田松川という水路は今も残っている。

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百科事典マイペディア 「武庫川」の意味・わかりやすい解説

武庫川【むこがわ】

兵庫県東部の川。長さ66km。篠山盆地南部の山地に発し,三田(さんだ)盆地を経て宝塚で山地を離れ,三角州を形成して大阪湾に注ぐ。三田と宝塚の間は武庫川渓谷として知られる。支流羽束川の水は上水道工業用水に利用。
→関連項目尼崎[市]伊丹[市]三田[市]宝塚[市]兵庫[県]

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改訂新版 世界大百科事典 「武庫川」の意味・わかりやすい解説

武庫川 (むこがわ)

兵庫県南東部の川。県東部の篠山盆地に発し,三田(さんだ)市,宝塚市を貫流して尼崎・西宮両市の市界となって大阪湾に注ぐ。延長65km,流域面積496km2中流の三田~宝塚間は先行性の深い峡谷を形成し,武田尾,宝塚などの温泉にも恵まれ,阪神間の行楽地として親しまれている。下流には以前は枝川や申(さる)川という分流があったが河道改修で廃川となり,その河川敷甲子園球場や住宅地となった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「武庫川」の意味・わかりやすい解説

武庫川
むこがわ

兵庫県東部を南流する川。延長66キロメートル。丹波高地(たんばこうち)に源を発し、青野川、羽束(はつか)川、有馬(ありま)川、八多(はた)川などを合流して宝塚市に流れ出て、さらに尼崎(あまがさき)市と西宮(にしのみや)市の境界を流れて大阪湾に注ぐ。上流の三田(さんだ)市では三田米で知られる清酒用米の水田地帯を潤し、羽束川の水は、神戸市上水道の千苅(せんがり)水源池の用水となっている。下流では武庫平野水田灌漑(かんがい)用水、臨海工業地帯用水となっている。

[藤岡ひろ子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「武庫川」の意味・わかりやすい解説

武庫川
むこがわ

兵庫県南東部を流れる川。丹波山地の白髪岳 (741m) 付近に発し,三田盆地で青野川,黒川,羽束川,有野川,八多川などを合せ,大阪湾に注ぐ。三田盆地以南で武庫峡,宝塚から武庫平野を形成。全長 66km。支流羽束川にある千刈水源地は神戸市の上水道源。中流には武庫峡のほか,武田尾,宝塚などの観光地がある。灌漑用水阪神工業地帯の工業用水として重要。

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世界大百科事典(旧版)内の武庫川の言及

【武庫】より

…摂津国武庫郡内の地名。武庫郡は現兵庫県西宮市にあたり,その東部を武庫川が流れ,河口には古代に武庫泊(むこのとまり)が営まれていた。大阪湾をはさんで難波津の対岸にあたるので〈向こう〉が武庫の語源であるといい,また神功皇后が兵具をおさめたことから名が起こったともいわれる。…

※「武庫川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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