朝日日本歴史人物事典 「大拙祖能」の解説
大拙祖能
生年:正和2.3.3(1313.3.30)
南北朝期の臨済宗幻住派の僧。鎌倉(神奈川県)の人,姓は藤原氏。14歳で大川道通について得度,叡山で受戒し,のち双峰宗源,大川,東明慧日,夢窓疎石らに参禅した。康永2(1343)年入元し,東陽徳輝,千巌元長などに参じ,千巌の会下で大悟し印可された。延文3(1358)年帰国して肥後(熊本県)永徳寺,筑前(福岡県)顕孝寺,豊後(大分県)万寿寺,上野(群馬県)吉祥寺に歴住し,また上野宝林寺を開創した。足利義満,後円融天皇などの帰依を受けて,円覚寺,建長寺に住した。広円明鑑禅師と諡される。<参考文献>卍元師蛮『本朝高僧伝』
(中尾良信)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報