大東合邦論(読み)だいとうがっぽうろん

改訂新版 世界大百科事典 「大東合邦論」の意味・わかりやすい解説

大東合邦論 (だいとうがっぽうろん)

樽井藤吉著書本書は1885年に一度日本語で書かれたが,大阪事件に連座して稿を失い,改めて漢文で書かれて93年に刊行された。初版の著者名は森本藤吉となっている。その主旨は〈日韓両国をして一合邦たらしむるに在り〉,和を貴ぶ日本と仁を重んずる朝鮮とは親密の情にあるからであるという。その方法は〈各邦の自主自治の政をして,均平に帰せしむるに在り〉という対等合邦であった。また,樽井は中国との合従は説いたものの合邦は考えていなかった。この創見はのちに内田良平によって受け継がれた。
大アジア主義
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 桂川

ローマ法王ともいう。ラテン語 Papaの称号はカトリック教会首長としてのローマ司教 (教皇) 以外の司教らにも適用されていたが,1073年以後教皇専用となった。使徒ペテロの後継者としてキリスト自身の定...

教皇の用語解説を読む