家庭医学館 「大理石病」の解説
だいりせきびょう【大理石病 Osteopetrosis/Marble Bone Disease】
遺伝性の病気です。骨は、適度のかたさと弾性をもった組織ですが、大理石病では、骨が大理石のようにかたくなりすぎて、もろく、折れやすくなります。
乳幼児期に発症して死亡する場合もありますが、ほとんどは、小児期以降に発症するもので、死亡することはありません。
[症状]
骨がかたくなりすぎるため、まるでチョークを折ったように、骨折をおこすことがあります。
骨の中には、血液をつくる骨髄(こつずい)と呼ばれる空間がありますが、この病気では、骨髄の入っている空間がせまくなり、そのはたらきが悪くなって貧血や骨髄炎(こつずいえん)がおこりやすくなったりします。
また、頭の骨にもおこり、脳神経が通っている孔(あな)もせまくなって神経が圧迫され、視力障害や聴力障害など、さまざまな脳神経症状が出たりする場合があります。
[治療]
この病気の根本的な治療法はありません。
しかし、ビタミンD製剤の大量投与や低カルシウム食によって、骨の過剰な骨化を防ごうという治療が行なわれることもあります。
骨髄の減少によっておこる重症の貧血(ひんけつ)や感染(骨髄は血液のほかに、免疫(めんえき)にはたらく細胞もつくるので、骨髄の減少によって感染がおこりやすくなる)に対しては、小児期までに骨髄移植が行なわれることもあります。
骨折に対しては、ほとんどの場合、手術が行なわれます。