大紀(町)(読み)たいき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大紀(町)」の意味・わかりやすい解説

大紀(町)
たいき

三重県中南部、度会郡(わたらいぐん)にある町。2005年(平成17)大宮紀勢(きせい)の2町と大内山村(おおうちやまむら)が合併して成立。東部は紀伊山地東部の分水嶺、西部は台高(だいこう)山脈南麓の山地で、南部は熊野灘(なだ)に面する。町域の約90%が山林で占められ、集落や耕地は宮川、藤川大内山川の流域に点在する。JR紀勢本線、国道42号(熊野街道)、260号が通じる。紀勢自動車道の建設が進められ、2009年紀勢大内山インターチェンジが設置された。スギ、ヒノキなどの林業、シイタケ栽培、大内山牛乳として知られる酪農や肉用牛の肥育などが行われ、海岸部の錦(にしき)地区ではマダイハマチの養殖が盛んである。町域の大部分が奥伊勢(おくいせ)宮川峡県立自然公園に指定され、緑豊かな自然環境を生かした観光開発が進められている。阿曽(あそ)には江戸時代からの温泉があり、2005年には旧阿曽小学校の校舎を利用した入浴施設が開場している。大内山川の上流には大滝峡、犬戻(いぬもどり)峡などの景勝地があり、町域にはキャンプ場や森林公園が多い。面積233.32平方キロメートル、人口7815(2020)。

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