朝日日本歴史人物事典 「大野広城」の解説
大野広城
生年:寛政9(1797)
江戸中期の武士,国学者。通称を権之丞といい,忍軒,忍之屋などと号した。江戸の人。幕府小十人組の士で,幕府の儀式典礼や武家諸法度など禁制の事項を記した『青標紙』(前編1840年,後編41年刊),『殿居嚢』(前編1837年,後編39年刊)を,携帯に便利な小型の折本にして公刊し,許可なく幕府の内情を公表した科で筆禍を受け,九鬼式部少輔へお預けとなり,九鬼の領地丹波国綾部(京都府)に幽閉中没した。ほかに『東国風流』『柳営事略』『泰平年表』などの著がある。
(宇田敏彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報