大隆寺跡(読み)だいりゆうじあと

日本歴史地名大系 「大隆寺跡」の解説

大隆寺跡
だいりゆうじあと

[現在地名]大野町小衣斐 折口

小衣斐こえびにある白鳳期の創建と考えられる寺院跡。寺域周辺に整然とした条里遺構遺存し、また水田中に塔心礎および礎石が露出していたが、昭和四三年(一九六八)の工場建設に伴いほぼ完全に破壊された。遺構は約二〇メートルの距離をおいて二個の礎石があり、両礎石とも柱座を掘りくぼませている。ともに心礎の可能性が高く、東西両塔の伽藍配置が想定されるが、他の遺構についてはまったく不明である。出土遺物の瓦類には軒丸瓦軒平瓦先瓦があり、軒丸瓦は複弁八弁鋸歯文縁軒丸瓦で川原寺式のもの。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android