精選版 日本国語大辞典 の解説 てんか【天下】 の 憂(うれ)いに先立(さきだ)ちて憂(うれ)い、天下(てんか)の楽(たの)しみに後(おく)れて楽(たの)しむ ( 中国、宋の范仲淹の「岳陽楼記」の「居二廟堂之高一、則憂二其民一、処二江湖之遠一、則憂二其君一、是進亦憂、退亦憂、然則何時而楽耶。其必曰下、先二天下之憂一而憂、後二天下之楽一而楽上乎」による ) 志士仁人は天下国家の憂いを世の人々がいまだ憂えない前に憂え、人々が楽しんだ後に楽しむ。何よりも天下国家の事を先にして自己一身の事は問題にしないということ。先憂後楽。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
故事成語を知る辞典 の解説 天下の憂いに先立ちて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ 自分のことは後回しにして、国家の大事について考えること。すぐれた政治家となるための心得。 [由来] 一〇~一一世紀、北ほく宋そう王朝の時代の中国の政治家、范はん仲ちゅう淹えんが書いた「岳がく陽よう楼ろうの記」という文章の一節から。昔の立派な人物たちは、「天下の憂いに先だちて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ(国民に先だって国家のことを心配し、国民が楽しめるようになってからでないと、自分は楽しまなかった)」と述べて、そういうすぐれた政治家の出現を待望しています。 [解説] 岡山にある庭園「後楽園」や、東京の小石川にある庭園「後楽園」の名前は、この故事成語を踏まえたものです。 出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報