天后(読み)てんこう(その他表記)Tian-hou

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「天后」の意味・わかりやすい解説

天后
てんこう
Tian-hou

中国民間信仰神の一つ。天妃,天上聖母,さらには媽祖 (まそ) とも呼ばれる。伝説によると,10世紀なかば,福建生れの女性で,のち昇天し,海難救助などに霊異を現したため,朝廷から天妃,天后に封じられた。もと船乗りの信仰した水神であったが,次第に民間に広まり,中部南部沿海台湾に広く分布し,さらに沖縄から日本本土へも伝来している。

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占い用語集 「天后」の解説

天后

十二天将ひとつ。女性に関すること、耽溺愛情柔軟性といった意味合いがある。

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世界大百科事典(旧版)内の天后の言及

【則天武后】より

…さすがの高宗も武氏の立后を後悔し,664年(麟徳1)の年末に廃立を断行しようとしたが,失敗に終わった。674年(上元1)8月には,皇帝を天皇と称し,皇后を天后と称することを宣し,その年末には12条からなる独自の政治方針を発表した。また周囲に文学の才ある知識人,元万頃,劉禕之ら(北門学士)を集め,《列女伝》《臣軌》などを編集させ,政治にも参画させた。…

【天后宮】より

…媽祖廟(まそびよう)ともいう。この神はもと中国の宋代に実在した巫女といわれ,のちに天后,天妃,天上聖母などと尊称された。媽祖はその俗称。…

【媽祖】より

…中国の航海守護神(女神)。民間では媽祖と称されたが,歴代朝廷の封賜を受け,宋では霊恵妃,元・明では天妃,清では天后と封号された。その信仰は宋代に福建の莆田地方で発生し,雨旱,疫病,盗賊などから住民を守護するものとされた。…

※「天后」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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