天常立神(読み)アマノトコタチノカミ

デジタル大辞泉 「天常立神」の意味・読み・例文・類語

あまのとこたち‐の‐かみ【天常立神】

日本神話天地ができる時、天空に生じたという神。天常立尊。→国常立尊くにのとこたちのみこと

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精選版 日本国語大辞典 「天常立神」の意味・読み・例文・類語

あまのとこたち‐の‐かみ【天常立神】

  1. 記紀などに見える神。「古事記」では国土未だ形成されない時、生まれた神々の中の神。「日本書紀」では別伝にしか見えない。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「天常立神」の意味・わかりやすい解説

天常立神
あめのとこたちのかみ

創世神話なかに出てくる神。国常立神(くにのとこたちのかみ)と対をなしているものと思われる。「常」は永遠とか恒久、「立」は存在するというくらいの意で、天空が永遠に存在するということを神格化したものである。天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)と同じように観念的につくられた神である。『日本書紀』では一書(異伝)に出るのみであるが、『古事記』では別天神(ことあまつかみ)五柱のなかの一神として重視されている。岐美(きみ)(伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと))二神への命令者として必要だったのであろう。

[守屋俊彦]

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