天知る、地知る、我知る、人知る(読み)てんしるちしるわれしるひとしる

精選版 日本国語大辞典 の解説

てん【天】 知(し)る、地(ち)(し)る、我(われ)(し)る、人(ひと)(し)

  1. ( 後漢の楊震が王密から金十斤をおくられ、「暮夜無知者」といわれた時「天知、神知、我知、子知、何謂知」と答え、密が恥じて去ったという「後漢書‐楊震伝」に見える故事による語 ) 誰も知るまいと思っても天地の神は照覧し、自分も知り、それをしかけるあなたも知っていることだ。隠し事というものはいつか必ず露顕するものだ。悪事隠蔽をいさめる例言などとして用いる。
    1. [初出の実例]「天知(シル)地知我知といへり。〈略〉なじかは隠れ有る可き」(出典太平記(14C後)三五)
    2. 「『天知る、地知る、我知る、人知る』なれば、終にはあらわれて天の罰を受べし」(出典:都鄙問答(1739)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ことわざを知る辞典 の解説

天知る地知る我知る人知る

誰も知るまいと思っても天も地も知っており、私もあなたもそれを知っている。知るまいと思われることでも必ず誰かが知っている。不正・悪事はいつかは必ず露顕するものだ。

[解説] 中国、後漢の楊震が王密から金十斤をおくられ、「誰も知っている者はいませんから」といわれたのに対して答えたことば。

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