天石門別安国玉主天神社(読み)あめのいわとわけやすくにたまぬしてんじんしや

日本歴史地名大系 「天石門別安国玉主天神社」の解説

天石門別安国玉主天神社
あめのいわとわけやすくにたまぬしてんじんしや

[現在地名]伊野町神谷 杉の端

杉の端すぎのはなに鎮座し、祭神は天石門別安国玉主天神。「延喜式」神名帳にみえる「天石門別安国玉アマノイハトワケノヤスクニタマ主天神社」に比定される。旧郷社。貴船きぶね神社(旧郷社)を合祀する。

「土佐州郡志」や「土佐国式社考」などによると、当社はもと神母林の巨巌の下にあって、祭神も知られていなかった。元禄五年(一六九二)波川はかわ神社神主が偶然巌穴棟札を発見、これに「天野岩戸分安国玉之天神社 天文九年庚子霜月八日 勝賀瀬越後造立之」と記されていたことから、翌年杉の端に移し、藩主からも若干の神田が寄進されたという。旧社地の神母林は現在仁淀川近くの低湿地水田の端にあたり、近世以前は洪水などで衰退していたのであろうか、天正一七年(一五八九)の下分七名地検帳にもみえない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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