太刀持ち(読み)たちもち

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

太刀持ち
たちもち

(1)武家で主君の太刀を持って近侍する役。多くは小姓である。たとえば奉行(ぶぎょう)などが表の間に出る場合、紋服(もんぷく)の帯の間に短刀を挟み、扈従(こしょう)の者が太刀を持つ。その持ち方は、袱紗(ふくさ)をもって鞘尻(さやじり)近くを纏(まと)い、竪(たて)に持つ。奉行が上座につくと、太刀持ちも従い、その太刀を奉行の左側に置き、退く。
 将軍、大名が奥向きへ入るときは、小姓は表・奥の境目であるお錠口(じょうぐち)まで捧(ささ)げてゆき、奥女中の表使(おもてづかい)に太刀を渡した。[稲垣史生]
(2)相撲(すもう)では、横綱力士が土俵入りするとき、太刀を持って後ろに従う力士のこと。江戸時代の幕内力士は大名に召し抱えられ、帯刀を許される士分格であったため、殿様から拝領の太刀を持たせて土俵入りをした習慣がいまに伝えられている。太刀持ちは、横綱と同門または同系統の幕内力士が勤め、「露払い」より上位の力士が受け持つ。[池田雅雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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