奥ノ仁田遺跡(読み)おくのにたいせき

日本歴史地名大系 「奥ノ仁田遺跡」の解説

奥ノ仁田遺跡
おくのにたいせき

[現在地名]西之表市安城 奥ノ仁田

安城あんじようの南東部、中種子なかたね町との境に近い、太平洋に臨む標高一三三メートルの台地上に立地する。縄文時代草創期・早期が主体の遺跡。草創期の遺物では多量の隆帯文土器、打製・磨製石鏃、石斧・磨石・石皿などが出土した。土器の多くは隆帯部分に二枚貝の腹縁部を用いて加飾するもので、類例は宮崎県串間市大平おおひら遺跡にある。隆帯文の施文具として貝殻・指頭・篦状工具・棒状工具などが確認された。底部形態は安定した平底が主体で、尖底もある。狩猟具である石鏃に比べ、磨石類の出土数は卓越しており、食生活が植物食を中心としていたことがうかがわれる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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