改訂新版 世界大百科事典 「奥只見」の意味・わかりやすい解説
奥只見 (おくただみ)
新潟・福島県境を流れる只見川上流の地域名。主として新潟県における呼称で,福島県では奥会津という。越後三山,平ヶ岳など標高2000m級の山々に囲まれた田子倉ダムより上流の地域を指す。この地域は急峻な山地と狭い谷底平野からなり,日本有数の豪雪地帯でもある。近世初期,北ノ又川沿いの銀山平付近で,高田藩によって上田・白峰銀山が開発され,戸数1000余の鉱山町が栄えたこともあった。銀山閉鎖後,出作り集落,開拓村もつくられたが,1953年から始まった国土総合開発法に基づく奥只見電源工事により,田子倉ダム,奥只見ダムが造られ,それらの大半が水没した。両ダムは日本有数の発電力をもち,新しく生まれた田子倉湖,奥只見湖(銀山湖)とともに観光地となり,奥只見湖の北側には奥只見丸山スキー場がある。奥只見湖へは新潟県魚沼市の折立(おったて)温泉付近から電源開発用の長さ22km(トンネル18km)の奥只見シルバーラインを利用して達する。73年,越後三山只見国定公園に指定された。
執筆者:鈴木 郁夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報