朝日日本歴史人物事典 「奥田木白」の解説
奥田木白
生年:寛政12(1800)
幕末の赤膚焼の陶工。幼名は亀松。長じて佐兵衛,31歳より武兵衛を名乗る。茶,俳諧をよくした風流人で,郡山藩の御用も勤める荒物屋を営み,その屋号柏屋にちなんだ木白の号をはじめ,木々斎,五行庵などの号を用いた。天保6(1835)年より楽焼を始め,同11年から赤膚焼伊之助窯で本焼を始める。京焼,瀬戸焼,萩焼などの各地の焼物を研究し,写し物に特に優れ,その多彩な陶技で赤膚焼の興隆に大きく貢献した。『楽焼口伝之控帳』『家伝覚書』『浮世のゆめ』などの著作がある。
(伊藤嘉章)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報