女王物質(読み)ジョオウブッシツ(その他表記)queen substance

デジタル大辞泉 「女王物質」の意味・読み・例文・類語

じょおう‐ぶっしつ〔ヂヨワウ‐〕【女王物質】

女王バチが分泌するフェロモン一種。他の雌の性成熟抑制し、働きバチ育児や蜜の採集などをさせるはたらきをもつ。ハチアリなどの社会性昆虫に見られる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「女王物質」の意味・わかりやすい解説

女王物質
じょおうぶっしつ
queen substance

ミツバチ女王が口部の大顎腺から分泌する一種のフェロモン。女王の体表から職蜂 (働きばち) 仲間に次々に伝えられて,職蜂の卵巣の成熟を押え,また新女王用の王台づくりを押える効果をもたらす。女王物質の構造炭素 10個から成る脂肪酸の一種で CH3-CO-(CH2)5-CH=CH-COOH の構造をもつが,2位の炭素が -CO- でなく -CHOH- のものも有効である。

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世界大百科事典(旧版)内の女王物質の言及

【フェロモン】より

…働きバチはみな雌で,巣の中に1匹の女王バチがいる限り,卵巣の発育が抑えられたままで,産卵することはない。女王バチから分泌される女王物質queen substanceを働きバチがなめたり,においとして受容することで卵巣の発育がおさえられ,餌集め,女王の世話という働きバチの行動を起こさせている。女王物質はミツバチの社会階級を決めるフェロモンである(階級分化フェロモン)。…

※「女王物質」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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