好好(読み)すきずきし

精選版 日本国語大辞典 「好好」の意味・読み・例文・類語

すきずき‐し【好好】

〘形シク〙
① 物好きだ。風流だ。粋狂らしい。
※枕(10C終)二三「御誦経などあまたせさせ給ひて、そなたにむきてなん念じくらし給ひける。すきずきしうあはれなることなり」
好色めいている。色好みのようである。
※後撰(951‐953頃)恋二・六八九・詞書「この思ひかけたる女のもとより、などかくすきずきしくはといひて侍りければ」
源氏(1001‐14頃)梅枝「つつみしだに、なほ、すきずきしき咎(とが)を負ひて」
すきずきし‐げ
〘形動〙
すきずきし‐さ
〘名〙

すき‐この・む【好好】

〘他マ五(四)〙 (類義の「すく」と「このむ」を重ねたもの) いろいろあるものの中の一つを特に好む。とりわけ好む。ひどく好む。
※玉塵抄(1563)二六「人はいさみけなげだてをばすきこのむぞ」
他人の顔(1964)〈安部公房〉黒いノート「誰が好きこのんでこんな邪道めいた仕事に精を出したりするものですか」

すき‐ずき【好好】

〘名〙 人によって好みが違うこと。各人の好むところ。このみごのみ。すき不(ぶ)すき。すききらい。
寒川入道筆記(1613頃)愚痴文盲者口状之事「其身其身の数寄数寄にしたがひ、日を暮し、よをあかしなぐさむべき事じゃ」

このみ‐ごのみ【好好】

〘名〙 (副詞的にも用いる) 各人各様の望み。それぞれの好み。すきずき。
御湯殿上日記‐文明一七年(1485)正月六日「このみこのみの物一色をおほくたひて、おかしく御らんせらるる」

すき‐このみ【好好】

〘名〙 とりわけこのむこと。嗜好(しこう)趣味

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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