朝日日本歴史人物事典 「如水宗淵」の解説
如水宗淵
室町後期の画僧。鎌倉円覚寺の蔵主。周防(山口県)山口へ赴いて雪舟に師事する。著名な雪舟筆「破墨山水図」(東京国立博物館蔵)は,明応4(1495)年,画技の習熟を認められて印可として宗淵に与えられたものである。以後,京都と鎌倉で活動した記録がある。明応9年11月22日付の雪舟から京都の宗淵に宛てた書状(梅沢記念館蔵)が伝わり,弟子を思いやる晩年の雪舟の心情がうかがわれて興味深い。雪舟画風をよく継承したひとりである。「跋陀婆羅尊者像」(円覚寺蔵),「竹に叭々鳥 蓮に鶺鴒図」(東京国立博物館蔵)など10点余りが現存する。<参考文献>『水墨美術大系』7巻
(山下裕二)
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