如法道場跡(読み)によほうどうじようあと

日本歴史地名大系 「如法道場跡」の解説

如法道場跡
によほうどうじようあと

[現在地名]那智勝浦町那智山

熊野那智大社の北西、約一〇〇メートルの妙法みようほう山の麓に位置したが、現存しない。もと那智山千日行者の如法経修行の道場で、天台宗に属し、本尊大黒天は那智大黒天ともよばれた。「続風土記」によると、建長六年(一二五四)沙門慈雲の創建といわれ、その後一時衰廃し、応永三三年(一四二六)那智山執行法印道珍が再建したという。天正九年(一五八一)には那智一山が兵火で焼かれ(熊野年代記)、このとき如法道場も焼失したが、元和九年(一六二三)春海阿闍梨が再建した(続風土記)。この地には新客しんきやく滝以下四滝があり、近世伝承では那智山千日行者が当道場でまず「百日修行」を行い、その後那智大滝(一の滝)で「本処修行」を行ったという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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