委却(読み)イキャク

デジタル大辞泉 「委却」の意味・読み・例文・類語

い‐きゃく〔ヰ‐〕【委却】

[名](スル)
自分立場や考えを捨てて他にまかせること。
実用せまられて、時好の程度に己れを―した建築である」〈漱石虞美人草
心の重荷を払いのけること。
迫害苦痛を―する為の便法である」〈漱石野分

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「委却」の意味・読み・例文・類語

い‐きゃく ヰ‥【委却】

〘名〙 自分の考え、立場などを捨てて、他にまかせること。
※虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一五「趣味に叶ふと云はんよりは、寧(むし)ろ実用に逼(せま)られて、時好の程度に己れを委却(ヰキャク)した建築である」

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