存ずる(読み)ゾンズル

デジタル大辞泉 「存ずる」の意味・読み・例文・類語

ぞん・ずる【存ずる】

[動サ変][文]ぞん・ず[サ変]
「知る」「承知する」の意の謙譲語。「知らぬ―・ぜぬでらちがあかない」
「思う」「考える」の意の謙譲語。「お変わりなくお過ごしのことと―・じます」
[補説]現代では多く「ます」を伴った形で、聞き手に対して、改まった気持ちをこめて丁重に言うのに用いる。
[類語]思う考える思い巡らすおぼし召す承知

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「存ずる」の意味・読み・例文・類語

ぞん‐・ずる【存】

  1. 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]ぞん・ず 〘 他動詞 サ行変 〙 ( 多く、聞き手に対して、あらたまった気持をこめていうのに用いる謙譲語 )
  2. 考える、思うの意の謙譲語。
    1. [初出の実例]「非敵之由を存歟」(出典:袋草紙(1159)上)
    2. 「やがて世のみだれいできて、其沙汰なく候条、ただ一身の嘆きと存じ候」(出典:平家物語(13C前)七)
    3. 「花が次になりそうなものかと、わたくしはぞんじますて」(出典:黄表紙・高漫斉行脚日記(1776)中)
  3. 知る、承知する、心得るの意の謙譲語。
    1. [初出の実例]「汝が云ふ所二つ无し。我理を存ぜり」(出典:今昔物語集(1120頃か)五)
    2. 「爰の御作法も存(ゾン)ぜぬなり」(出典:浮世草子・好色盛衰記(1688)五)
  4. そんする(存)

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