学校安全対策(読み)がっこうあんぜんたいさく

知恵蔵 「学校安全対策」の解説

学校安全対策

近年、学校や通学路などにおける児童生徒の被害事件が多発していることから、このような事件を防止するため、学校の安全管理体制の強化、防犯教育の充実、施設設備の整備、教職員等の危機管理意識の一層の向上、子供の安全を地域全体で見守る体制の整備などが課題となっている。 こうした状況に照らし、文部科学省は、中央教育行政当局として、様々な取り組みを講じている。2001年7月に、緊急安全対策として実施する監視カメラや非常通報装置の設置等にかかる経費についての特別交付税措置などを行っている。 02年12月には、共通する留意事項をまとめた「学校への不審者侵入時の危機管理マニュアル」を、03年6月には、犯罪防止のための特色ある取り組みを紹介した事例集を作成している。そのほか、学校安全の充実にハード・ソフトの両面から総合的に取り組む子ども安心プロジェクトの実施、具体的な留意点や学校・地域・家庭・関係機関の連携方策等についてまとめた「学校安全緊急アピール」(04年1月)や「学校安全の方策の再点検等について」(05年3月)の公表なども行っている。 下校時の事件や05年12月に京都府宇治市の学習塾において児童が殺害されるという事件の発生を受けて、政府全体としても、犯罪から子供を守るための関係省庁連絡会議が設置され、「犯罪から子どもを守るための対策」が取りまとめられている。社会教育においても、文科省は防犯教育などを推進している。

(新井郁男 上越教育大学名誉教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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