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社会教育 しゃかいきょういく

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

社会教育
しゃかいきょういく

日本では学校教育以外の教育活動の総称。欧米でこれに類するもの,たとえばイギリスアメリカ成人教育 adult educationフランス通俗教育 éducation populaireまたは公衆教育 éducation publique,ドイツ民衆教育 (民衆陶冶) Volksbildungなどと比べて一層包括的な独特の概念といえる。

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知恵蔵2015の解説

社会教育

社会教育法で、「学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動(体育及びレクリエーション活動を含む)」(第2条)と定義される。教育委員会の所管になる図書館博物館公民館などの社会教育施設における活動を意味する場合が多い。しかし、社会において組織的に行われている教育一般を指すべきものであり、公的社会教育などともいう。社会教育は生涯学習に包摂されるもので、1998年9月、生涯学習審議会が「社会の変化に対応した今後の社会教育行政の在り方について」を答申。社会教育行政における住民参加の推進、法令に基づく規制の廃止・緩和、地方公共団体の自主的な取り組みの促進(学校との連携、民間の諸活動との連携、首長部局等との市町村の広域的連携、生涯学習施設間の連携)、学習支援サービスの多様化(通信教育や学習成果を評価する技能審査の在り方、マルチメディアの活用等)を提言している。

(新井郁男 上越教育大学名誉教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

しゃかい‐きょういく〔シヤクワイケウイク〕【社会教育】

学校教育以外に、主として青少年や成人を対象に行われる組織的な教育活動。→学校教育家庭教育社会教育法

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百科事典マイペディアの解説

社会教育【しゃかいきょういく】

学校教育を除き,主として青少年および成人に対して行われる意図的・計画的な教育活動の総称。ただし,養育をおもな内容とする家庭教育は除外する。社会教育法に規定がある。
→関連項目環境教育教育教育刷新委員会公民館公民教育社会教育委員通信教育平和教育

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世界大百科事典 第2版の解説

しゃかいきょういく【社会教育】

学校教育以外の領域において組織される教育・学習活動の総称であって,ときにひろく文化活動やスポーツ活動も含まれる。
[用語と概念]
 社会教育という用語は日本独自のものであって,欧米では一般にadult education(英語),Erwachsenenbildung(ドイツ語),éducation populaire(フランス語)など成人教育,民衆教育の語が用いられる。近代以降の社会教育をみると,国家による民衆教化に抗して,社会的に自立した成人や勤労青年をその主体とし,自己教育活動をその本質ととらえようとする思想と実践が展開されてきた歴史がある。

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大辞林 第三版の解説

しゃかいきょういく【社会教育】

学校以外の場で行われる教育的な活動の総称。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

社会教育
しゃかいきょういく

学校教育以外の社会において行われる教育活動。「社会教育」という語は、日本独特の概念で明治期から使われ、1892年(明治25)には、山名次郎(1864―1957)が『社会教育論』を著している。社会を意識した人間を形成する教育のように、社会性を養う教育という意味の英語、social educationに近い用法もみられたが、通常は学校教育に対して、社会のなかで行われる教育を意味した。明治期における学校制度が欧米をモデルにしていて、社会とのずれが大きかったことが、この概念の成立の背景にあると考えられる。ここには、意図的でない人間形成作用も含まれていた。[上杉孝實]

日本における展開

明治から大正にかけて、「社会教育」に近い官庁用語としては、フランス語のducation populaireの訳語と思われる「通俗教育」がよく用いられた。「社会」ということばが、社会主義を連想させるので忌避されたといわれている。それでも「社会教育」は使われ続け、1921年(大正10)には文部省も公用語として採用するようになる。このころは、講座・学級以上に団体活動や生活改善運動を意味することが多く、37年(昭和12)以後は政府の進める国民精神総動員運動の一翼を担うものとしての性格が濃くなっていく。当初、社会のなかでの影響を意味した「社会教化」も、社会教育と重ねて考えられていたが、しだいに「教化」は教え込みとして受け止められるようになる。
 1949年(昭和24)成立の社会教育法では、「この法律で」と定義し、社会教育は「学校教育法(昭和22年法律第26号)に基き、学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動(体育及びレクリエーションの活動を含む。)をいう。」とされ、意図的な教育活動に限定した概念規定が示された。第二次世界大戦前には社会教育施設が乏しく、団体中心の社会教育がみられたが、戦後は施設の重要性が強調され、公民館の普及が図られ、図書館法や博物館法もつくられて、しだいに発展を示すようになった。戦前は官製のものが多かった団体についても、社会教育法は、社会教育関係団体は公の支配に属しないものと規定し、社会教育主事についても命令・監督をすることが禁止された。
 民主化や新生活運動との関連で、学校における社会学級や講座の開設が促され、公民館などを拠点に各地で青年学級、婦人学級など学級・講座が多く開かれるようになる。1954年、生活課題について、共同で調べ、話し合い、解決の方向を探る共同学習が、日本青年団協議会によって提唱され、学級を中心に広がりをみせるようになる。60年代以後高度経済成長に伴って、地域の解体や公害が問題になり、これらに取り組む学習も盛んになり、体系的・科学的な学習の重要性も指摘されるようになる。
 1965年に、ユネスコ(国連教育科学文化機関)で提起された生涯教育の考えは、日本の社会教育にも大きな影響を与え、学校教育と社会教育の連携や結合が強調され、大学開放も促された。また、教育委員会のみならず、首長部局のかかわりが強められる。87年の臨時教育審議会(臨教審)の第三次答申が「生涯学習社会への移行」を打ち出したこともあって、このころから生涯学習に社会教育を包摂するような動きも目だつようになる。98年(平成10)成立の「特定非営利活動促進法」(NPO法)は、非営利団体(NPO)が特定非営利活動を行うにあたって法人格をとりやすくするもので、「社会教育の推進を図る活動」や「文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動」なども、その特定活動に含まれている。公的社会教育とともに民間の社会教育活動がどのように発展するかが注目されている。
 社会教育では、生活課題学習が重視され、住民自治との関連で住民の主体形成が理念とされて、成人のみならず青少年も含めて相互教育の展開にその特性がみいだされている。地域づくりともつながる、学習と実践の結合も強調されてきた。差別をなくすための社会同和教育とともに展開されてきた識字教育は、成人基礎教育として生活を支えるあらゆる学習と結合して推進されなければならない。男女平等や多文化・多民族共生社会の実現に向けて、人権教育の充実も課題となっている。[上杉孝實]

外国

欧米では、日本の社会教育に一致する概念はない。成人教育やユース・ワークyouth work(青少年事業)がほぼこれに近いが、前者はかならずしも学校教育を排除する概念ではないし、後者は教育としてよりも社会事業として展開されてきた。イギリスでの成人教育としては、18世紀以後盛んになった、宗教活動の一環として民衆に聖書を読む力をつけるための識字教育や、コーヒーハウスでの科学・文化クラブ活動がある。19世紀には、成人のための学校も増え、後半からは大学人が地方に出かけて組織的に成人教育を行うようになり、大学拡張university extensionとよばれ、以後大学開放の動きが強まる。20世紀初頭には労働者教育協会(WEA)も設立されて、大学との連携などによって、労働者への教養教育の普及が図られてきた。1920年代以後大学に構外教育部が設けられるようになり、成人教育専任の教員の配置が進む。なお都市に公共図書館の設置を図る1850年の公共図書館法で、公立図書館無料の原則が確立した。
 1944年の教育法以後発達してきた継続教育カレッジや、夜間学校などから発展した成人教育センターなどによって、地方教育当局のかかわる成人教育も広がってくる。青少年活動としては、19世紀に結成されたYMCAやYWCA、20世紀初頭に始まったボーイスカウトやガールガイド(ガールスカウト)のように、民間運動が目につくが、60年代には、ユース・サービス(ユース・ワーク)にも力が入れられ、ユース・クラブの設置やユース・ワーカーの配置が進んだ。70年代からは、学校型の成人教育に参加しない人々に目を向けて地域での課題に取り組むコミュニティ教育も活気を呈し、ユース・ワークとの統合も図られ、とくにスコットランドでは、この概念のもとに、あらゆる教育活動を統合する政策がとられるようになる。一方、経済重視の政策の影響もあって、大学では専門職業教育を中心とした成人教育も増大し、構外教育部の流れを受け継ぐ成人教育部が継続教育部や継続教育センターに変わるところが増えてくる。88年の教育改革法や92年の継続教育・高等教育法によって、継続教育カレッジは地方教育当局の手を離れ、独立的地位にあるが、資金を通じて中央政府の影響力が強まっている。
 北欧諸国では、19世紀なかばにデンマークで創設された宿泊型の民衆大学Folke-Hjskole(国民高等学校、国民大学、市民大学などともよばれる)が普及し、このほか、スウェーデンでは、公的補助を受けるスタディ・サークルの活動が有名である。ドイツやオーストリアでも、多くは非宿泊型であるが、民衆大学Volkshochschuleが発達している。フランスでは、20世紀初めから、多くの民間団体のアソシアシオン(アソシエーション)が、公的援助も受けながら成人教育活動を展開している。
 アメリカでは、19世紀に入るころから、州立大学が設置され、地域の産業振興という観点から成人教育が促進される。私立大学でも、拡張部を設けて、大学開放事業を推進している。20世紀以後、短期大学は、地域のだれもが学ぶことのできるコミュニティ・カレッジとして、成人教育にも大きな役割を演じている。大学拡張による成人教育は、カナダなどイギリス連邦諸国によくみられるものである。
 アジアのなかでも、韓国や台湾では、社会教育の概念が存在するが、インドネシアなど東南アジア諸国では、ノン・フォーマル教育の名称のもとで、学校外教育の振興が図られている。[上杉孝實]
『宮坂広作著『近代日本社会教育史の研究』(1968・国土社) ▽国立教育研究所編『近代日本教育百年史』7~8(1974・国立教育研究所) ▽小川利夫編『現代社会教育の理論』(1977・亜紀書房) ▽小堀勉編『欧米社会教育発達史』(1978・亜紀書房) ▽永杉喜輔・藤原英夫編『改訂社会教育概説』(1981・協同出版) ▽日本社会教育学会編『社会教育の国際的動向』(1987・東洋館出版社) ▽日本社会教育学会編『社会教育の創造』(1988・東洋館出版社) ▽上杉孝實著『地域社会教育の展開』(1993・松籟社) ▽小川利夫著『小川利夫社会教育論集』全8巻(1992~2001・亜紀書房)』

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世界大百科事典内の社会教育の言及

【社会教育法】より

…社会教育を,ひろく国民の間で行われる自主的な教育,文化,スポーツ活動としてとらえ,その自由の保障と振興のために,国および地方公共団体のなすべき任務を定めた総合的な法律。1949年公布,7章と付則から成る。…

【社会体育】より

…学校における教科としての体育である学校体育に対する用語として用いられる。1949年制定の社会教育法との関連で,文部省で用いられた日本特有の用語概念である。社会教育法では社会教育を,〈学校の教育課程として行われる教育活動を除き,主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動(体育およびレクリエーションの活動を含む)〉と定義しており,そのなかに社会体育も含まれている。…

【生涯教育】より

…1965年,パリで開かれたユネスコの成人教育推進国際委員会で,P.ラングランが提唱し採択されて以来,国際的に注目され展開されるようになった。このことからも知られるように,今日の生涯教育論は元来,歴史的には学校教育の開放あるいは延長として自覚されてきた社会教育(成人教育)の発展に負うところが多い。その意味では,第1次大戦後に一般化されはじめた学校教育終了後の継続教育としての社会教育の考え方,さらにさかのぼって,18世紀啓蒙思想における人権教育の思想とも,それは歴史的に無関係ではない。…

※「社会教育」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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