宇久城跡(読み)うくじようあと

日本歴史地名大系 「宇久城跡」の解説

宇久城跡
うくじようあと

[現在地名]宇久町平郷

中世の城館の跡。江端えばた川流域の山本やまもとにあり、山本館とも称されるが、遺構は明らかでない。宇久氏居城で、平家盛と称する初代は文治三年(一一八七)宇久島に上陸して山本に館を構えたという(宇久氏系譜)。または武田義政の次男守盛が氏祖で、武田信弘が家盛を称していたとも、嵯峨源氏松浦党の一派ともいわれるが、明らかではない。鎌倉期にみえる宇久氏は青方氏と密接な関係があり、峰氏ともつながりがあったらしいが、正治二年(一二〇〇)上有川かみありかわ・下有川(現有川町)一揆を平定するほどの勢力になっていたという(簗瀬家系譜)。一三世紀から一五世紀の間に青方文書にみえる宇久氏は宇久次郎競・宇久孫二郎披・宇久源三郎湛・長弁・宇久覚・宇久入道実・宇久松熊丸(勝)らで、正和二年(一三一三)宇久孫二郎とみえる披は建武四年(一三三七)足利尊氏方として肥後国で菊池氏と戦っている(同年七月日「青方高直軍忠状案」青方文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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