宇奈為神社(読み)うないじんじや

日本歴史地名大系 「宇奈為神社」の解説

宇奈為神社
うないじんじや

[現在地名]木沢村木頭

坂州木頭さかしゆうきとう川が那賀川と合流する地点の上流約一キロの渓谷沿い、字ないにある。旧郷社。祭神は豊玉姫命・玉依姫命・豊玉彦命。「延喜式」神名帳記載の那賀郡の小社「宇奈為ウナイノ神社」は当社に比定される。「阿波志」は「宇奈為即海居也。其神恐綿積命」とあり、那賀川上流の当地に海神が祀られていたとする。宇奈為は海居(うなゐ)と同音である。社伝では平安時代末期に紀伊国出身の豪族湯浅氏が境内に熊野十二社権現を勧請し、その後乾元年間(一三〇二―〇三)に山伏性金が当社に止住して、主として十二社権現を奉祀するようになったという。当社前の谷川奈為ないの瀬といったことから、中世には那伊瀬ないのせ権現・内瀬ないのせ十二社権現とも称した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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