日本大百科全書(ニッポニカ) 「宇宙船ビーグル号の冒険」の意味・わかりやすい解説
宇宙船ビーグル号の冒険
うちゅうせんびーぐるごうのぼうけん
The Voyage of the Space Beagle
アメリカの作家バン・ボークトの冒険SF。1950年作。宇宙怪物と地球科学者の虚々実々の対決を描く。超光速宇宙船ビーグル号は宇宙の探索に出発したが、その行く手には人類の想像を絶する恐るべき生物が待ち構えていた。一見、猫のような怪獣や異星の鳥人、あるいは母星を失って宇宙空間に漂う怪物、さらには第二銀河系全体に無定形の状態で拡散して生存している生命体など。彼らはいずれも奸知(かんち)にたけた超能力をもち、ビーグル号を乗っ取ろうとするため、宇宙船のほうでも人類の英知、情報総合学(ネクシャリズム)を駆使して必死の防戦を試みなければならなかった。
[厚木 淳]
『沼沢洽治訳『宇宙船ビーグル号の冒険』(創元推理文庫)』