出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
… 現在日本で行われている宇宙医学関連の研究は,心・循環と脳循環,全身の神経系の協調,骨代謝とカルシウム喪失,筋萎縮,放射線防御,代謝と栄養,異文化と閉鎖環境,人間工学,遠隔医学(テレメディスン)など,以前に比べて格段に多様化しているのが特徴である。
[宇宙での身体の変化]
これまでに実施されたアメリカのマーキュリー計画,ジェミニ計画,アポロ計画,スカイラブ計画,スペースシャトル計画などの,短期ないし長期の宇宙飛行における飛行士の身体のおもな変化として,循環血液量の減少,血液濃度の変化,心循環系の失調,不整脈の出現,体重減少,起立耐性の減少,立ちくらみ,〈宇宙酔い〉の出現,食欲減退,運動容量の減少,筋肉の容量の減少,赤血球の大きさの減少,骨の密度の減少,骨のカルシウムの減少などが報告された。最初に心配されていた放射線などの影響は,宇宙船内に生活しているかぎり,今のところ大量の被曝者は出ていない。…
…また,抗ヒスタミン剤や自律神経薬などが配合された〈酔止め〉の薬を飲んでおくのもよい。 なお,宇宙飛行士たちが宇宙空間で経験する〈宇宙酔い〉も乗物酔いの一種である。宇宙医学耳【佐藤 祥之】。…
…船酔いや乗物酔いはこのような機序で起こる。 宇宙船で飛行士が宇宙旅行を行うようになって宇宙酔い(宇宙不適応症候群ともいう)の問題もでてきた。症状は船酔いと同様であるが,これには無重力の影響が大きい。…
※「宇宙酔い」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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